石巻へ、・・・

連日の仙台入り。
今日は、横田さんが石巻方面に本を届け、せっかくいらした杉山亮さんが
そのうちの1校で「おはなしライブ」をすると言うので、一緒に連れて行って頂く。荷物運びって事で。

まずは、途中の養護学校で絵本と、おもちゃをおろす。
この学校はまだ「避難所」になっているために、学校がはじまっていない。
100人近い児童がいるそうだけど、どうしているんだろう・・

先生が走って出て来てくれて、持って来たダンボール箱を開けて
中を確認。

「わ〜〜、このおもちゃ、いい!」「あ、これは、使えそう!」
先生は、きっと子ども達の顔を思い浮かべながら選んでいるんだね。

絵本も、箱を開けてぴったりな本を確認しながら選び、5箱置いて行く。

早く、子どもが安心して通える学校が始まる事を祈って次の園へ。

次は、保育園に。
キーボードをお届け。
すかさず横田さんが「おんぶ紐はありますか?」
「おんぶ紐は、あります、大丈夫です」「じゃあ、何か足りない物があったら
連絡くださいね」とさりげなく気を配り、次の小学校へ。
さすがだな〜〜と尊敬。


昼を挟み、目的地の「雄勝小学校」ヘ向かった。

雄勝は、ご存知の通り大変な被害を受けた地域で
「小学校」自体もう使えない。
今は、離れたところにある「河北中学校」の5つの教室を借りて
4月22日から新学期がやっと始まった。



まずは、そこに本をおろす。
ちょうど、地域のお話ボランティアの方々が到着し重い箱を運ぶのを
手伝ってくださった。

2階に運び上げると
以前に送られた本が、きちんと並べられていた。


そして今回持って来た本は、こちら

さて、「美術室」が「職員室」になっいて
そこで挨拶などして、いよいよ全校40名に杉山亮さんの
「おはなしライブ」が始まりました!

先生方も全員聞いてくれているし、お話の会の方々も一緒に。

まずは、「九九クイズ!」
子ども達はね、「クイズ」「わ〜〜!」って言うけど
「九九クイズ」と聞くと「やだ〜〜」(笑)正直です。
でも大丈夫、杉山さんのお話やクイズはみんな「面白い」ばかり!大丈夫!

杉山さんのお話は、どんな話しも「杉山ワールド」で
他の人にはちょっとない楽しいものばかり。(怖いはなしや、しんみりしたのもありますよ)
今日は、特に「楽しい話し」をと気を使っていらっしゃいました。

クイズの後は、名刺代わりの爆笑ばなし「ひつじ」
子ども達は、くすくす笑って、大人も声を出して笑って
いい感じ!さすがです。


言葉遊びをはさんでお話をもう一つ。「貧乏くじ」をして
最後にもう一つ言葉遊び。と盛りだくさん。

お話会が終わって、子ども達が椅子をもって移動しているとき
大きな子も小さな子も、最後に覚えた「言葉遊び」を友達と一緒に
大きな声で唱えながら
かえって行ったのが印象的でした。
何かを吐き出しているように。でも、顔はにこにこ!


終わって校長先生が
「22日の始業式では、子ども達の顔はみんな無表情にこわばっていた」
「今日は、久々にあんなに笑顔の子ども達を見ました」と言ってくださった。


大人も、子どもも「笑う事に後ろめたささえ感じた」「笑う気力もない」日々だったそうです。
いま、ようやくだんだんと「笑う」余裕が少しもどってきたんですね。
一時でも笑顔になれてよかった。

本当によかったな〜〜、わたしもこの場にいられてよかったな〜〜と思う。

そして、今度は「橋浦小学校」へ到着。
ここには、校舎がだめになってしまった他の小学校が校舎を借りていて
1つの校舎に3つの小学校が同居。

本をおろしていると、中から若い女の先生が走りでてきて手伝ってくださり
箱に「ゾロリ」と書いてあるのをみると
ゾロリだ〜〜!」「わー、よかった!きっとみんな喜びます!」と
先生がとってもうれしそうにしてくださり、私たちも幸せな気分に。

その小学校は、河の曲がりの内側のカーブになった堆肥した土地にあったため
今回の大津波がカーブを曲がらず、まっすぐ突き進み
奇跡的に難を逃れたそうです。
ほんの数百メートル先の川向こうが壊滅的な状態なので
本当に恐ろしかったと思う。そして、奇跡だ。

校長先生のお話聞き、
「是非、この先の被害のあった場所も見て行ってください」と
おっしゃったので、横田さんがお疲れのところ、車を走らせてくれた。


海が目の前の小学校まで行った。
道はアスファルト津波ではがれ、でこぼこ。
建物は、何もない。がれきさえ流されたのか撤去されたのか何もなく
家があった痕跡は、基礎だけが残っている。

そんな風景がずっと続いていて「はあ〜」とため息しか出ない。

海の先端にある小学校が見えて来た。
横田さんが車を止めてくれた

この小学校には津波経験者の先生がいて、子どもを山に登らせて
無事だったそうです。

そのとなりの大きな建物も・・

こんな事になっていました。


そして、仙台へと帰途につきました。
でも、車の中で、横田さんも杉山さんも私も、しばらくはずっと黙ったまま。



あんなに映画のような、うそのような圧倒的な「破壊」を見てしまったら
なにも言葉が浮かばず、いったいどれくらい生き残った人たちが
恐ろしい思いをしたのだろうか・・・
想像する事すら難しい。


仙台近くになり横田さんが口を開いた。

「あの場所が、もとにもどるのか、いつもどるのか・・
そんな事を考え出すと、暗くなってね・・」
「だから、とにかく今出来る事を身体を動かしてしてないとさ・・」


本当にそうですね。
でも、すごいよ横田さんは。
全国から寄せられた本やおもちゃ、文具、などなど
それをこう届けてくれているのは、横田さんが地元で「本屋さん」をしているからこそのネットワークを生かしての事。



被災された方達は「本が欲しい」「おもちゃが必要」と
声を上げる元気もなかったり
第一知る手段がない!


そこで、おはなしボランティアの方々が口コミで
「あゆむネット」の事を広め、横田さんに連絡を、
連絡を受けるとすぐに行動して運んでくださっている。


本当に大変な事です。すばらしい!
今日は、連れて来て井いただいて本当によかった。

本を集めて送るのは一段落させますが、
あゆむネットさんとはこれからも連絡を取って、必要なもので
こちらで準備出来るのもがあれば、協力して行こうと改めて思いました。

まずは「人形」作りますよ!


まず、長い一日ご報告まで。
あ、記念に「すごい男」ふたりで記念写真。


忘れられない、一日でした。

おまけ、これが「横田やさん」ですよ。
「本とおもちゃ」のお店です。
今回の地震で被害がなかったのは「奇跡」だっておっしゃっていた。
たしかに・・
古くて由緒あるお家みたいですよ。

素敵なおもちゃとたくさんのいい絵本があります、是非お立寄くださいませ。